彼に殺されたあたしの体
娘が生まれてから家族は更に賑やになった。


赤ちゃんの泣き声は昼夜問わず聞こえて来て、親戚や友人と思われる人たちがひっきりなしに家に出入りしている。


時にはパーティーのようなことも行い、クラッカー音や楽しい音楽が聞こえてきた。


あたしはその音をぼんやりと聞いていた。


幸せな家族。


沢山の人に祝ってもらえて、守ってもらえる命。


赤ちゃんや子供という弱い存在は、誰かに守ってもらう事で命を続けることができる。


また、弱い命を守る事が当然であるかのように感じている人も沢山いる。


だけど現実は違う。


現実はそんなに甘くない。


甘いだけの人生を歩む人もいるかもしれなけれど、その反面苦いものばかりを噛みしめている人もいる。
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