彼に殺されたあたしの体
そんな桜ちゃんを旦那さんがあやしている声が聞こえてくる。


「わんわん欲しい?」


そんな奥さんの声も聞こえてくる。


と、途端に桜ちゃんが大きな声を上げ始めた。


「ほしい! わんわんほしい!!」


そう言いドタドタとリビングを走り回る音が聞こえてくる。


「あなた、犬くらい飼ってみてもいいんじゃないかしら? 生き物と触れ合う事で成長できる部分って沢山あると思うわ」


「あぁ。僕は別にかまわないよ」


旦那さんが二つ返事で了承して、桜ちゃんが更に興奮気味に声を上げる。


「わんわん! わんわん!」


と、悲鳴に似たはしゃぎ声が、あたしをほんの少しだけ不快にさせた。
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