彼に殺されたあたしの体
連絡
あたしのスマホに先生から連絡が入ったのは、午後の授業がすべて終わってからだった。


《さっきはすまなかった。過呼吸で倒れたと保険の先生に聞いた。大丈夫だったか? この後話しがしたい。校舎裏の出口に車を止めておくから、そこに来てくれ》


そのメール内容にあたしの心は弾んだ。


さっきまで抜け出せない暗闇の中にいた自分が、一気に陽のあたる場所へと引き出されたみたいだ。


あたしは何度も何度もその文面を読みなおした。


夢じゃないよね?


本当のことだよね?


先生があたしの心配をしてくれている。


それは赤ちゃんが生まれてくる可能性を少しでも高めるものだった。


あたしの顔は自然と緩んでしまう。


もし、この後の話がスムーズに進んでいけば、先生はあたしとの結婚だって考えてくれるかもしれないのだ。
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