彼に殺されたあたしの体
そう思うと嬉しくて仕方がなかった。


「美彩、今度はやけに元気そうね」


掃除を終えたメイがホウキを持ったまま突っ立っているあたしを見て、そう言ってきた。


「そ、そうかな?」


「とぼけても無駄よ? 美彩はすぐに顔に出るんだから」


そう言い、あたしの脇腹をつつく。


あたしは自分の頬を両手で包み込んだ。


そんなにわかりやすい顔をしていたのかな?


まだ誰にも話せないことなんだから、バレないように気をつけなきゃ。


「さ、掃除の続きしよっと」


あたしはわざと大きな声でそう言い、メイから離れたのだった。
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