彼に殺されたあたしの体
足を進めれば進めるほど、生徒たちの声は次第に小さくなって行く。


学校の裏手にまわると校舎が邪魔をして、それはさざ波のようになった。


「先生!」


そんな中、あたしはすぐに先生の車を見つけることができた。


何度も乗った事のある軽の車だ。


どこにでも停まっているような車だけれど、あたしは先生の車をすぐに見つけることができる。


裏門から出て車に駆け寄ると、運転席に先生の姿が見えた。


あたしはなんの躊躇もすることなく、助手席のドアを開けて車に乗り込んだ。


車の中は少しだけタバコの香りがする。
< 51 / 306 >

この作品をシェア

pagetop