彼に殺されたあたしの体
彼は重たくなったあたしの体を抱き上げることを断念した。


かわりに彼はあたしの両足首を持ち、ズルズルと引きずるようにして移動を始めた。


あたしの髪には土がこびりつき、引きずられる事で制服のスカートがまくれ上がり、下着があらわになる。


恥ずかしさに顔をおおい隠してしまいたくなるが、彼は振り向いてあたしの状態を確認することもなかった。


なんとか穴の前まであたしを移動させた彼は軽く息を吐き出して、あたしの両足を地面へ置いた。


「……死んでるよな?」


かがみこみ、確認するようにそう聞いてくる。


当然あたしは返事などできないから、彼の独り言だ。
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