彼に殺されたあたしの体
あたしは先生との出来事や楽しかった時の事を思い出し、時間をつぶすようになっていた。


最初はこの状況の不安と恐怖を払しょくするための行動だったけれど、今は趣味になっている。


こんな時でも趣味の時間ができるなんて、人間というのはどこまでも柔軟性のある生き物なんだと思い、なんだかおかしくなった。


そんなある日の事だった。


いつもと外の様子が違う事に気が付いた。


最初は何が違うのか理解できなかった。


でも、ずっと耳を澄ましていて鳥の声が聞こえてきた時、雨がやんだのだと気が付いた。


台風が過ぎたのだ。


その変化はすぐに現れた。


今まで雨の音しかしなかった地上に、車の通る音や自転車のベルの音が聞こえ始めたのだ。
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