神風の如く
月夜に輝く瞳
小雪の言ったとおり、少し歩くと賑やかな街が見えてきた
だが、それは普段見慣れているものとは全く違っていた
街を照らす明かりは街灯やライトではなく、提灯で
あたりを見回しても高い建物は一つもなく、時代劇のセットのような家が並んでいた
そして、この状況なら致し方ない気もするが、華蓮の格好─制服は物珍しいのか、通り過ぎる人たちがちらちらと見てくる
「あの子、何者だろうねぇ」
「異国のモンかもねぇ」
そんな会話も耳に入ってくる
いや、私は日本人です、という言葉を飲み込み街をひたすら歩いていた
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──ドンッ
あたりをキョロキョロとしすぎたせいか、目の前にいた男の人にぶつかってしまった
「すっ、すみませんっ」
とっさに謝り、一歩後ずさる
それは─────目の前にいた人の左腰に刀が刺さっていたからだった