神風の如く
─────────────
不安そうな瞳を見つめて、土方は意を決したように口を開いた
「………思わねぇよ」
「えっ?」
そんなに自分は華蓮に信用されていないのか、と思い、土方はため息をついた
「だから、思わないって言ってんだよ
お前が来てから、隊士………特に幹部の奴らは変わった
何かを守るっつう優しさってモンが見られるようになったんだよ」
「………っ」
まあ、それがこれからの壬生浪士組にとっていいのか悪いのかは分からないが、少なくともみなが楽しそうに過ごすのは悪いことには思えなかった
「好きなだけ、ここにいろよ
前にも言っただろ?
ここにはお前の仲間がいて、ここはお前の帰る場所だ
それから、俺たちにはお前が必要なんだろうよ」
───────────
これは現実だろうか───?
華蓮は自分の目と耳を疑っていた
確かに前に同じようなことを言われたが、今とは状況が違う
戦いにおいて、お荷物になりうる華蓮が壬生浪士組にいることを許された───?
しかも土方の最後の一言
それによって土方は顔を真っ赤にしたままだった