神風の如く




土方の話によると、はじめて京に来たときはもっと大勢であったらしい




それが帰ることになったとき、水戸派と試衛館派は京に残ることに決め、それぞれ前川邸と八木邸でお世話になっている




そして、残る、と決めたときに資金を集めたり何かと手を立ててくれたのが芹沢だったそうだ




そのやり方は決して納得できるものではなかったが…………




脅して金を取ったり、態度が気にくわなければ暴力を振るうこともしばしば




そうして、水戸派と試衛館派の溝は深まっていったという




きっと、現代にもそんな話が残っているのだろうが、華蓮は知らなかった





「それなら、これからは芹沢さんが暴走するのを防がなくてはいけませんね」





「あぁ、だが、お前はできる限り接触を避けてくれ」





「わかりました、努力します」








しかし、どんなに防いでも芹沢の悪行は止まらないことを華蓮は知っていた








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