神風の如く




─────




巡察もほとんど終わり、帰ろうとしたとき、通りの奥からざわざわと声がした





「何でしょう……?」




気のせいか、悲鳴も聞こえるような気がした





「行ってみましょう、新八さん!!」





沖田は後ろにいる永倉を呼ぶ





「ああ」






そして、平隊士を連れて声のする方に向かった
















────「なっ………」





着いて目の前に広がったのは火の海





そして────






「はっはっはっ
お前たち、よくわかったか!?
俺に逆らうからこうなるのだ!!」





燃えている店の屋根に仁王立ちする芹沢がいたのだ





「芹沢さんっ、何事ですか!?」





沖田が上に向かって大声をあげた





「ふんっ、沖田に永倉か

この俺を侮辱した罰を与えたまでだ」





───なんてことを





よく見れば、店の主人であろう人が店の前で芹沢に向かって土下座をしている





周りには見物客がたくさんいて、芹沢のことを、壬生浪士組のことをひそひそと話している声がした





「みな、火を消せ!!!

それから、お前は屯所に帰って土方さんを呼んでこい」





永倉はすぐに隊士たちに指示を出した





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