神風の如く
──ゴォォォ
燃え盛る炎を従えるかのように立っている芹沢
その姿は───土方とは比べものにならない
本物の鬼─────いや、悪魔と言った方が正しいかもしれない
「芹沢さんっ、やめてください!!」
華蓮は必死に叫んだ
芹沢がこんなことを繰り返せば、彼の身に起こることは確実になる
芹沢のことを好きにはなれないが、一度知り合ってしまったのだ
こんなことをすれば死んでしまうとわかっていて、何もしないでいることはできなかった
「なんだ?小娘………
文句でもあるのか………?」
睨み返してくる目は恐ろしかった
見かねた沖田と永倉が前に出ようとするが華蓮はそれを手で制した
「はい、あります
こんなことをして何になるのですか!?
あなたが大きくしてきた壬生浪士組なのでしょう?
その評判を落としてどうするのです!?」
「………なんだと?」
芹沢の眉毛がピクリと動いた
「そんなに腹が立つようなことが多いのなら私がいくらでもお相手します
ですから、そんな、不逞浪士と同じようなことをしないでください
壬生浪士組のためにも、あなたのためにも────」
最後は華蓮の願いであった