神風の如く





しばらくして、近藤や土方が駆けつけた





「おいっ、芹沢さんは!?って……
もういるわけねぇか………」




土方は燃えた店の状況を確認してため息を漏らした




「すまねぇな、土方さん
止められなかった」




珍しく土方に謝るのは永倉





永倉は芹沢と同門で、かつては一緒にいたのだ




「いや、謝らなくていい
あの人はもう、誰にも止められねぇ」




こんなことが会津藩に知れたら────




土方はどんな命が下るのかわかっていた




「歳、とりあえず手伝おう」




火は既に消えていたが、近藤の一言で片付けを手伝うことにした








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「なんで芹沢さんはあんなに短気なんだ………」




帰ってきて、幹部がそろい、会議となった




もちろん目撃者の華蓮も参加している





「そんなこと知りませんけど………

蓮さん、今回はいつも以上に肝を冷やしましたよ」




沖田は華蓮に話題を変える




「そうだぞ、俺も驚いた」




永倉は首を縦に振っていた





「すみません………
気がついたら口が動いていて」





よく考えればあの芹沢に反論したのだ





斬られていてもおかしくはない





「何もされずにとりあえずはよかったけど、芹沢さんに目つけられちまったわけだよな?」




藤堂は心配そうに華蓮を見た








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