神風の如く
藤堂の言うとおり、それは否定できなかった
「まあ、芹沢さんが直接湊上君に手を出してくるとは思えませんけどね」
いつもは涼しい顔の山南も、この日ばかりは眉をひそめていた
沈黙が続いていた中、土方が華蓮に目を向けた
「とりあえず、お前は今まで以上に気をつけろ
一人になる時間をできるだけなくせ
それから絶対に前川邸には行くなよ」
前川邸には芹沢たち水戸派がいる
華蓮はお梅がいるため、時々訪れていた
だが、この状況では承諾しないわけにはいかなかった
「…………はい」
その後は、続けて芹沢の動向に気をつける、ということで話は終わりになり各自部屋に戻った
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二人いるにも関わらず会話はほとんどない
これにはもう慣れているが、今日は違った
───怒っている?
とにかく不機嫌そうな土方は、華蓮に背を向け、机にむかっていた