神風の如く

土方の背中から漏れる黒いオーラは今まで見たことのないものだった





何かしてしまったのだろうか、華蓮は自分の行動を振り返った





今まで土方がこんな態度を取ったことはない




しかし、考えても答えは出なかった






「………あの、土方さん
怒っているのですか?」





恐る恐る尋ねてみる





「…………あぁ、そうだ」





冷たい二言が返ってきた





ますます、華蓮にはそう言われる理由がわからなくなる





「ど、どうしてですか?」





土方に一歩近づきそう告げると、土方は深いため息をついた





「お前、危なっかしいんだよ
あの芹沢さんだぞ!?
本当に何をされるかわかんなかったんだ!!

少しは自覚しろよ………」





最後の一言は、土方にしては珍しく弱々しく聞こえた






「………心配、してくださったのですか?」





その問いに土方は答えない





それでも、華蓮はそれが土方にとって肯定の意味になるのだと思った





怒っていることを見破られ、気まずいのか、恥ずかしがっているのか




土方はそっぽを向いたままだった