神風の如く
政変と進展
────そして
文久三年八月十八日
ついに、歴史に残る八月十八日の政変がおこる日になってしまった
この戦いで壬生浪士組は名をあげて、新撰組となり
どんどん時代に抗って生きていくことになる
華蓮は複雑な気持ちでこの日を迎えていた
ただ、幸いなのが壬生浪士組に任されたことが御所の護衛だということ
あくまで、華蓮も八月十八日の政変の概要しか知らない
つまり、壬生浪士組がどんなことをするのかまではわからなかったのだ
護衛であれば攻められない限り戦うことはないし、仲間が傷つくこともない
華蓮はそう思っていた
そんな華蓮の不安をよそに幹部をはじめ、隊士たちは任務を与えられたことに大喜びしていた
「ついに、ついに俺たちの出番だ!!」
「おう!!平助!!
役に立ってやろうぜ!!」
「あんまり騒ぐと土方さんに怒鳴られるぞ」
その中でもひときわ気合いが入っていたのは藤堂、永倉、原田の仲良し三人組
原田の心配していた通り、その後三人とも土方から拳骨をくらっていた
普段なら騒いでもある程度は見逃してもらえるが、なにせ今は勤務中
ここは屯所ではないのだ
怒られるのも無理はない