神風の如く




そんな三人を遠くから眺め




山南、沖田、斎藤、井上はずいぶんと落ち着いている





近藤と土方はというと…………





「近藤さん、少しくらいじっとしてられねぇのか?」





「とっ歳!!
見ろ、じっとしているではないか!!」




近藤は座っていられず、うろうろしながら周りの様子を伺っていた





土方はそんな近藤を見てため息をついては、落ち着くようにと話している





「どこが、落ち着いてる、だよ……」





頭を抱える土方は苦笑いをしていて、華蓮には楽しそうに見えた






「土方さん、楽しそう………」





いつの間にか思ったことを口に出してしまっていた





それを隣で聞いていた沖田が漏らさずに聞いていた





「そうですね……僕にも嬉しそうに見えますよ」




「沖田さんは落ち着いていますね」





沖田と斎藤、藤堂は同い年で幹部の中でもかなり若いはずなのに、と不思議に思っていた





「ははは、僕の場合は敵が来たら斬る、それしか考えていませんし」





なんと恐ろしいことを、またさらりと言ってのける




華蓮は一瞬沖田の瞳が黒く鋭く光ったのを見逃さなかった





「なんてね、今は終始不安そうにしている蓮さんのことの方が心配ですよ」





それを誤魔化すように、沖田は華蓮の頬に触れ、微笑む





「かっ、からかわないで下さいよ!!」





華蓮は恥ずかしくなって横を向いた





< 139 / 300 >

この作品をシェア

pagetop