神風の如く





今だ!!!





私は勢いよく、素早くしゃがみ





持っていた鞄を置いた





男が反応するよりも早く刀の左側に一歩動き、右足を力任せに蹴り上げる






「はっ!!」







──カキンっ






やってしまった─────





この日の華蓮はいつもより大胆だった






「……なっ!!!!」






そう、男の刀を回し蹴りの容量で折ってしまったのだ






「お、お前ぇ………」





こ、これはさっきの比にならないくらいまずい






男が怒りに震えていた






逃げようとするにも男の仲間たちが行く手を阻み、どうすることもできない






華蓮は己のやってしまったことの重大さを実感した







確か、この前の日本史の授業で────







────当時、刀は武士の魂とも呼ばれていたのですよ────






そんなことを先生が言っていた気がする







その、刀を折ってしまったのだ






どうしてもっと考えて行動しなかったんだろう!!!






華蓮は心から後悔した






しかし、それも既に遅し、今はこの状況をなんとかしなくてはならない







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