神風の如く




華蓮の恥ずかしがった表情を見た沖田は冷静に原田に言った




「原田さん、少ししたら着物を来てくださいね………
蓮さんもいるんですから」




原田はその一言によって初めて気付いたように驚いて




「お、おぉ、わりぃな、蓮
考えなかった」




とだけ言った




というか、忘れられていた………?




華蓮は自分にいかに女らしさがないのか思い知らされていた





本当はただみんな酔っ払っていただけなのだが………





「おーい、蓮君、歳を部屋まで連れて行ってくれないか?」




ガクリと肩を落としていると、近藤に話し掛けられた




土方を見ると、飲みすぎたのか、顔が真っ赤で今にも寝そうだった




華蓮は急いでそばによる




「はい………でも、珍しいですね」




土方も近藤もいつもお酒は飲まないのだ




「はは、歳も嬉しかったんじゃないのかな?
いつも俺たちのために頑張ってくれているから」




近藤はお酒を飲まずにいたようで、いつも通り穏やかな目で土方を見ていた




近藤は土方がいつも一生懸命なのを知っている




それを知って、華蓮もなんだか嬉しかった




「局長、こいつだけでは無理です
俺も運びます」




「あぁ、斎藤君
そうだな、歳を頼むよ」




「はい」




後ろからひょっこりと顔を出した斎藤は軽々と土方を担いだ




斎藤が部屋を出て行くのに続いて華蓮も部屋を後にした






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