神風の如く
しかし、そんな呑気なことを思っている場合ではない
「ちょっと、土方さんっ!!」
距離が近すぎて緊張したのか、胸の鼓動が早くなっていくのがわかる
身じろぎすると、両手を掴まれて身動きが取れなくなった
いつもの土方ではない─────
そう感じていたが、華蓮は嫌ではなかった
嫌ならば、とっくに倒しているだろう
華蓮は強引な土方に対抗せずにいた
それでも顔は直視できず、反らしてしまう
「おい、こっち向けよ」
そんな優しい声が耳元で聞こえて、躊躇いながら土方の方を向く
─────っ
さっきよりもずっと近くに土方の顔があって
「土方さ………………んっ……」
名前を呼び終わる前に口を塞がれていた
一瞬のことで何が起こったのかわからず、頭は大パニック
──ドサッ
わけもわからないうちに土方が華蓮を抱くようにして眠ってしまっていた
振りほどこうにもそれができない
華蓮は諦めて、さっきの出来事を思い出していた
──やっぱり、土方さんと、キス、したんだよね?
ど、どうしよう…………
華蓮は胸のときめきを抑えられずにいた
ふと、隣を見ると規則正しく寝息を立てる土方がいた
───こんな土方さん、初めて見た……
なんだか、すごく、温かい
華蓮は自分でもわからない胸のときめきと、温かい気持ちを抱いて目を瞑った