神風の如く




「………ん…………っ」





目を開けると目の前に土方がいて、声をあげそうになる




華蓮はいつもと同じ時間に起きたが、土方の腕が腰に巻かれ、出ることができなかった




──朝餉の準備、今日は斎藤さんが手伝ってくれるはずだけど………ごめんなさい




華蓮には土方を起こすことができなかった




この至近距離で起こしたら恥ずかしいし、それなら華蓮の気づかない間に起きてくれた方がいい




普段の華蓮に似合わず、寝たふりを決行しようとしたときだった





──スッ






「副長、起きて下さい
湊上、朝餉の支度に行くぞ」




なんと、斎藤が起こしに来たのである




「さ、斎藤さんっ」




華蓮は焦り出す




「なんだ、起きていたのか
だったら副長を起こせばよいのに」




「で、できませんよっ、そんなこと…」




斎藤は意味がわからず、首を傾げていた




「………ん?、斎藤か、………………」




土方が眠そうに斎藤の方を向く、過程で目の前にいる華蓮に目を止める




「どうしてお前が隣にいるんだ!?」




覚えていないのか………華蓮は安心したけれど、とても悲しく思えた




「覚えて、いないのですか……?」




土方が腕をほどき、二人とも起きて、布団の上に座った




「え、あぁ、頭がいてぇ、二日酔いか」




土方はそう言って頭を抑える




華蓮はため息どころか、昨日のことを聞く気も失せて




自分ばかり振り回されている気がしていた





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