神風の如く






男は全部で5人




みな刀を二本腰に下げているから、華蓮に刀を折られた男も、まだ刀を抜くことができる





さすがにこの状況は…………






普段は消極的で大人しい華蓮も一旦空手が入ると人が変わったようになるが、これは相手が悪かった






「…………っ」





これから起こる恐怖を想像し、下唇を強く噛んだ






「………お前ら、適当にやれ」






刀を折られた男は一歩下がり、他の4人が前に出る






───ここで下がる……?






でもとにかく、刀で切られるのだけは防がないと!!!






まだ自分が何をして生きたいのかはわからないが、こんなところでこんな奴らに殺されるなんてまっぴらごめんだった






「うぉらあぁぁ!!」





少しの睨み合いの後、仲間の一人が華蓮に斬りかかる





──スゥ





華蓮は少し息を吸って、心を落ち着かせた






襲ってくる男の右腹部に拳を入れ、腕を手刀の容量で刺激し、刀落としてから顔面に強烈な蹴りを入れる





これを瞬時に行った





倒れた男は起きる気配がない






これなら、この状況を打破できるかもしれない





華蓮に希望の光が見えた






何度も言うが、この日の華蓮は恐ろしいほど冷静で、頭がキレていた






この日ほど、空手を習ったことに感謝したことはない







「このっ!!ナメたマネしやがって!!!」






次々と襲いかかる男たちを冷静な目で見て、素早く一撃で仕留める技を使った








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