神風の如く





そしてあっという間に男4人が地面に倒れ込んだ





周りの見物客はざわざわとしていた






それはそうだろう 





この時代では、女が男に刃向かうなどありえないのだ






この街を歩き、この男たちに会って小雪の言っていた時代とやらがやっと理解できた







ここは恐らく────







──────幕末───────






江戸から明治に変わる日本の大事な時代だが、反面治安は不安定だった






華蓮は馬鹿ではない、それくらいの予想はついていた






4人の男を倒し、息を一つ吐いたとき、後ろで気配がした






─────!!!!!






忘れていた、もう一人いたことを






振り向いた時には目の前に刀を振り下ろそうとする男の姿があった






───ツメが甘い───





昔、海谷先生に言われたことがある気がする





今更、そんなことを思い出すなんて………






華蓮はあまりの恐怖に避けることを忘れ、思わず目を瞑った








だが──────







────カキン






次の瞬間、華蓮の体にくるはずの痛みはなく、変わりに金属音がした








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