神風の如く
恐る恐る目を開ける
────!?
目の前にはどこから現れたのか、刀を持った男が、華蓮を庇うかのように刀を交えて立っていた
「女相手に刀を向けるとは、この下郎が」
「うるせぇぇぇ!!!」
──キンッ
いやな金属音が耳に響く
華蓮はただ二人の男が戦う姿を見ていた
「我らは壬生浪士組!!
これ以上抵抗するならば不逞浪士として斬る!!」
静かに響く、低い声
「壬生浪、だと………くっ………おい、引くぞ!!!」
男たちは慌てて逃げて行った
男たちが去ると、見物客もちらほらと去っていき、華蓮も緊張が解け、その場にへなへなと座り込んでしまう
いくら空手がどきるとはいえ、相手は刃物を持った男たち
怖くなかった、と言えば嘘になる
それにしても──────
壬生浪士組──────?
どこかで聞いたことのある名だった
「あ、土方さ~ん
早すぎですよ~って、もう終わっちゃったんですか?」
少し向こうから走ってきたのは茶髪を後頭部の上側で結っている、色白な男
顔は整っていて、見方を変えれば女性とも思える綺麗さだった
「あれ、この子は?」
その男は笑顔を崩さず華蓮を見た