神風の如く
しばらく土方が出て行った襖を眺めていた
改めて昨日のことを思い出す
華蓮は壬生浪士組の仕事の邪魔をしにいったようなものだ
なのに、目覚めた華蓮に一言も土方は怒らなかった
それどころか、華蓮に謝るなんて──
────お梅さん……
なぜ、最後はあんなふうになってしまったのだろうか
なぜ、お梅は死ななければならなかったのだろうか
そもそも、なぜ、芹沢が殺されて……
なぜ、どうして、と頭の中で答えのでない疑問が飛び交う
そして、一番重い疑問は─────
なぜ、仲間が仲間を斬ってしまったのか
わかっている、ここは、幕末はきっとそういう時代なのだ
華蓮はものわかりはいい方である
頭の中では分かっていた
ただ、心の中にいるもう一人の自分が、何度も何度も問いかけてくる
お前は、どうして助けなかったのだ、と────