神風の如く




──ガラッ、ピシャン




「土方さんっ、いますか!?」




土方の部屋に行っても彼は見つからず、近藤の部屋の襖を思いっきり開けた




「総司、てめぇ、ついに近藤さんの部屋にまで……」




「説教は後で聞きます!!
それより、見つからないんですよ!!」




土方は驚いた




てっきり華蓮は沖田によって、とっくに連れ戻されていると思っていたからだ





「総司、どうしたんだ…?」




当たり前だが、ここは近藤の部屋




大事な話をしていたのか、近藤と土方だけでなく、山南もいる




「実はっ…………」




沖田は今までの華蓮の状態から、今朝の出来事まで手短に話した




話を聞いていた山南はすぐに土方のそばにあった書類を自分の方に寄せる





「何、してんだ………?」




「それはこっちが言いたいですよ……
何してるんですか、今すぐに追いかけるべきでしょう

一度面倒を見ると決めたわけですし、それに彼女はあなたの大事な人でしょう?」




「そうだぞ、歳!!
そういうことはもっと早く言ってくれ

これは二人で片しておくから、早く行くんだ!!」




山南も近藤も任せなさい、と口を揃えた




「っ……すまねぇ」




土方は沖田と共に部屋を飛び出した




「巡察を代わってもらった三番組の一君と、巡察中の八番組の平助には既に探してもらってます」




「……わかった、すまなぇな、総司」




「謝るのは見つかってからにしてください
全く、不器用すぎますよ、本当に」





先ほど言い争いをしていたとは思えないほど息はピッタリで、二人そろって屯所を後にした






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