神風の如く
華蓮がいなくなって三日目
土方は相当焦っていた
華蓮の身に何かあったとしたら………
だが、もっと恐ろしいのは華蓮が脱走していた場合だ
一度隊士になれば、局中法度を破ることは許されない
土方はただ、華蓮が無事に戻ってくることを祈った
「副長!!、湊上が戻りました」
山崎の声が聞こえた瞬間、立ち上がる
「まだ、誰にも知られていません
ここに内緒で連れてきます
よろしいですか……?」
さすが観察方
言わなくてもわかっていたか…………
「あぁ、頼む」
山崎が冷静に報告してきた、ということは華蓮は無事なのだろう
しかし、状況によっては処分無し、というわけにはいかないかもしれない
だがそれも俺が原因だったり………
「ああっ、クソッ」
土方は華蓮が戻って来たことを素直に喜べずにいた
この時ほど、副長、という役職を恨んだことはない