神風の如く
坂本たちと過ごして一つ気づいたことがある
自分にとって新撰組はもうかけがえのないものになっている、ということだ
坂本たちが新撰組に手を出すかもしれないと思ったとき、本気で戦おうと思った
自分から進んで二、三日過ごすことを決めたが、新撰組に帰りたい、あそこにいたいと思う気持ちは変わらなかった
何よりも、ここには────大切な人がいるから
───成すべきこと
それは──────きっと…
「湊上、ついて来い」
山崎が現れ、その後ろをそっと歩く
しばらくすると土方の部屋の前にいた
「副長、山崎です」
「ああ、入れ」
いつもと変わらない、土方の声
三日会わなかっただけで、こんなにも懐かしく嬉しいものだとは思いもしなかった
「失礼します」
山崎はそう言って襖を開け、華蓮が入るとすぐに閉めてどこかへ去った
土方は華蓮の身なりに驚いているようで、それが華蓮にも伝わっていた
「で、何をしていたんだ?」
ひどく冷たい声
しかしこれが土方の仕事だ
華蓮もこれくらいは覚悟していた
「坂本龍馬に監禁されていました」
華蓮はシナリオ通りに報告する
ちょっと話を大きくしてはいるが、あながち嘘でもない
「坂本、龍馬!?」
さすがに土方も動揺を隠せずにいた
「女だとバレたので解放してくれたみたいです
それと、これは坂本龍馬から……」
華蓮は土方に手紙を渡す
土方はそれをゆっくりと開いた