神風の如く




みるみる土方の表情が険しくなっていくのがわかる



華蓮はその手紙を読んでいないので、なんと書いてあるかは知らなかった



「あの……土方さん」









3日間闇雲に探しても帰ってこなかった奴があっさり帰ってきた、と思ったら身なりはボロボロで



だが、怪我一つないと聞いて安心した



華蓮から坂本龍馬の手紙を受け取った時、手首にあった縄の痕が痛々しく、坂本龍馬を斬ってやりたい気持ちになる



土方は手紙を開けた







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新撰組へ



おまんらの可愛がってる女子を3日間預からせてもらって悪かったぜよ!!


その子に悪気はないに、罪は問わんで欲しい


華蓮はまっこと面白き女子じゃき、また会いに行くかもしれん
そん時はよろしくぜよ!


         坂本龍馬

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──これは俺たちへの挑戦か?




土方は率直にそう思った



この手紙からすると、華蓮の身なりは坂本の策略で、華蓮に罰を与えられないようにするためのものだろう




「蓮、坂本に何を話した?」



土方は華蓮がビクッと反応したのがわかった



華蓮はゆっくりと口を開く



「私のこと、です………」



──やはり、そうか…



「未来から来たこと?」



「はい、ですが、新撰組の内情とこれから何が起こるのかは話していません」



土方はしばらく考え、そうか、と息を漏らした






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