神風の如く




開いた手紙を元通りにたたんで戻す




土方は華蓮に何も言えずにいた




「あの……勝手に飛び出して行って、捕まって、ご迷惑かけてごめんなさい

罰なら受けますから……」




華蓮は自分がしたことが悪いことであるとわかっていた



「お前…………」



「ですが、一つだけ言わせて下さい

ここを離れて、私は新撰組が……土方さんたちがどれほど大切か思い知りました
離れている間も帰りたいっていう気持ちは消えなくて………

でも、どうしても勇気が出なかった……」



──私は馬鹿だな、せっかく坂本さんが庇ってくれたのに…



それでも華蓮は土方にこれだけは伝えたかった




「わからなく、なっていたんです
私の成すべきことが


答えはたぶん出ていたんだと思います


ですが、その答えと、今まで生きてきた平和な時代での私の答えが頭の中でうまく噛み合わなくて………」



華蓮はそこで口ごもる




──どう言えば、伝わるのかな




「えっと………その、とにかく私は新撰組が大好き、みたいです……」




──言ってること、めちゃくちゃだ




恥ずかしさから、華蓮は顔を真っ赤にしていた




「ふっ」



俯いていたが、土方が笑う声がして顔をあげる




「ご、ごめんなさい………
うまく言えなくて」




「いや、別にいい、十分わかった」




そう、土方にとって、新撰組が大好き、という言葉で十分であった





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