神風の如く
弐
ためらいの理由
「…………………ぇ?」
目を覚ますと見慣れない天井があった
襖からこぼれる光を見て、朝だということがわかる
まだ、現代には戻れていない、か───
ため息をついて体を起こすと襖が開いた
「あ、おはようございます
起きてたんですか…………
ここは壬生浪士組の屯所です」
──昨日会ったのは夢じゃない…
「あ、はい」
入ってきたのは昨日会った茶髪に色白の男
「体調はどうですか?
びっくりしましたよ、昨日あのあと急に意識を失ってしまうんですから」
そうだったのか…………
「だ、大丈夫です
わざわざ運んでいただきありがとうございました」
「いえいえ、とは言っても実際に運んだのは土方さんなのでお礼は土方さんにも言ってあげて下さいね」
にっこりと笑う彼を見て、少し驚いた