神風の如く
「だが、処分無しにはできねぇ」
土方は眉間に皺を寄せる
「はい、わかっています」
新撰組の敵である坂本や中岡と3日間も一緒にいたのだ
お咎め無しでは済まされないことくらい覚悟の上
「お前がいない間、食事も洗濯も掃除も適当でな
溜まってる分も含めて片付けてくれ」
「え!?……それだけ、ですか?」
驚いた、謹慎処分にされてもおかしくないと身構えていたからだ
「……そもそもお前が飛び出して行ったのは俺が原因でもある
それなのに責められるか」
「そんなことは……ないと思います、けど……」
正直なところ、勝手に飛び出したのも、坂本について行くことにしたのも華蓮なのだ
「いいんだ、頼んだぞ」
「……はい」
しかし土方がそれでいいと言うのなら依存はない、と華蓮は返事をした
「蓮」
話はおしまいかと思いきや、土方が近づいてくる
「は、い?」
すると、土方の腕が伸びてきて華蓮は閉じ込められた
「き、汚いですよ……」
「………知るか
俺こそ、悪かった
お前の気持ち、察してやれなくて……
無事で………よかった」
「心配、してくれてたんですか…?」
突然いなくなったから、探されているだろうとは思っていた
その労力で迷惑をかけた気はしていたが、土方がこんなに弱々しく言うのには驚いた
「当たり前だろ
どれほど心配したか………」
土方の抱きしめる力が強くなる