神風の如く
──カチャリ
刀を喉に当てられる
ひんやりとした刃先が当たるのが恐ろしい
「誰の差し金だ?」
「………っ」
華蓮は壁側に追い詰められていた
今、少しでも動けば恐らく喉をグサリ、だ
──シュタッ
──ザシュッ
「そこまでだ!」
華蓮に刀を向けていた男の腕には山崎が投げたのか小刀が刺さっており、男は刀を落としていた
そして、斉藤の声がしたと思えば、いつの間にか目の前には斉藤と沖田がいた
「蓮さん、無事ですか!?」
沖田は華蓮を背にして、問う
「はいっ………この人たちが屯所襲撃を企てている犯人ですっ!」
華蓮は素早く報告した
その瞬間、二人から異様な殺気が感じ取れた
「へぇ、そうなんですか……」
──沖田さん、かなり怒ってる…
華蓮は直感でそう感じた
「お前ら何者だ!?」
男たちは突然現れた二人に驚きながらも、戦う気があるように見える
「新撰組三番隊組長、斉藤一」
「同じく一番隊組長、沖田総司
新撰組の名を汚し、屯所襲撃を企て、蓮さんに手を出した罪……
死んで償ってもらいます」
そこにいたのは、いつもの二人ではない
新撰組の組長だ
その背中を見て、味方でよかったと心から思う
とても逞しく、頼もしい