神風の如く
「新撰組だと!?
やるぞ、お前ら!!」
──カキン
浪人たちは一気に襲いかかる
「沖田さんっ、斉藤さんっ」
華蓮も戦おうとするが、なにぶん動きにくい着物に小刀しかない
──これじゃ、足手まといになる
「蓮さん、隙を作るので、逃げてください!」
「でも、それじゃっ」
こちらは沖田と斉藤の二人で相手は十人かそれ以上だ
あまりにも不利な状況なのは一目瞭然
「このお二方はそんなに簡単にやれらたりしない
行くぞ湊上!」
どこから現れたのか、山崎が華蓮の手を引いた
華蓮もそれに合わせて走り出す
それでも心配になり振り返ると沖田に襲いかかる浪士が目に入った
「沖田さんっ!」
──シュッ、グサッ
華蓮はとっさに持っていた小刀を男の腕めがけて投げた
間一髪沖田は斬られずにすんだ
──二人とも無事でいて下さい
華蓮はそのまま走り抜けた