神風の如く
「クッソッ」
──カンッ、カンッ
最初の二人は脱落という形になり、華蓮は残りの三人を相手にしていた
「………っ」
「おいおい、どうしたぁ?」
さすがに三人相手で剣術のみは辛い
──本当は体術使いたくなかったんだけどな……
だが、ここで負けては意味がない
「仕方ない………歯食いしばれぇっ!」
──ダァン
華蓮は三人のうちの一人が竹刀を振り下ろした瞬間に腕を掴み、竹刀を落として両手で背負い投げをする
投げた方向はもちろん、二人目がいるところ
「うわぁ!」
二人がすぐに動けないことを確認し、華蓮は竹刀を拾い、最後の一人と応戦する
「そろそろ、お前も限界なんじゃねぇの?
というか、組長たちにどんな色目使ってんだよ」
──ピシッ
──ここまで来てまだ言うのか
「あーあ、あの隊士、間違いなく蓮の逆鱗に触れたね」
「もう、俺は知らねぇぞ」
そんな声も華蓮の耳には入らないくらい、頭にきていた
──パァン
華蓮は素早く小手を叩き、相手の手から竹刀を落とす
「な、にっ!?」
それだけでは我慢ならず、近づいて思いっきり溝討ちを蹴り飛ばした
──ドォォン
「うっ………」
相手は壁に直撃し、気絶する
既に起き上がっていた他の4人もこれを見て真っ青になった
「まだ、言いたいこと、ある?」
竹刀を床に突き刺す、その姿に道場にいた全員が体を震わせた