神風の如く




沖田は少々慌てた



「ちょっと、蓮さん?」



こんなところを土方に見られたら面倒だから引き剥がそうとするが、華蓮は沖田の着物を掴んで離そうとしない



──もしかして……酔った?




いや、あんな少しで?




「総司、蓮がどうかしたのか?」



華蓮は普段人に寄りかかったりしない



藤堂も不思議に思い、沖田に声をかけた




「ちょっと様子がおかしいんだ
お酒、間違えて飲んだみたいで」



これは確実に飲みたくて飲んだわけじゃない



沖田は確信した



もし、こうなるとわかっていたなら華蓮の性格上絶対に飲んだりしない




「ええっ、てか総司早く離れないと、土方さんに殺されるよ?」



「わかってるからなんとかしたいんだけどね………」



試してみるが、やっぱり華蓮は離さない



それどころか、抱きついてくる




「沖田さぁん、明日雪が積もったら一緒に遊びましょーよ………

雪って久しぶりにぃ、見たから……嬉しくてぇ」



ちょっと潤んだ目で上目遣いのおねだりをしてくるのだ



「れ、蓮さん!!
勘弁してくださいよ、僕、土方さんに殺されちゃいます」



「この甘えん坊は本当に蓮なのか!?」



「平助は、どこに目を付けてるんですか!
どこをどう見ても蓮さんですよっ」



そんな慌てる男たちをよそに、華蓮は甘えん坊のまま



「あ、沖田さん、いい匂いするぅ…」



「えっ…………」



──あんまり密着されるといろいろ困るんだけどっ





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