神風の如く




「うわぁ!」



──ガタンッ



「な、なんだ!?」



「どうした!?」



華蓮が一回離れようとして、思いっきり抱きついた結果、沖田は後ろに倒れ込み、華蓮がその上に乗っていた



流石に土方や他の幹部も気づいたらしく、視線が集まる



「な、何やってんだ……じゃなくて、何されてんだ、総司?」



「さ、佐之さん……わかってるなら助けて、下さいよ……」



沖田は土方に怒鳴られるのを覚悟した



それも無理はない



目にしたのは華蓮が沖田に抱きついている状況だからだ



「なぁんだ、蓮は総司に乗り換えたか」



永倉もお酒が入っていて、ひたすらふざけている



「そんなわけないでしょう!
蓮さんはそんな子じゃありません」



沖田は華蓮を支えながらゆっくりと起き上がった








「蓮……酒でも飲んだか?」



すると目の前に土方が立っていて、ものすごく不機嫌そうな顔をしていた



「あ、土方さん……これは不可抗力ですからね」



「んなこたぁ、わかってんだ
で?、酒飲んじまったのか?」



不機嫌な顔とは裏腹に以外と冷静で、周りもホッと息をつく



「すみません、間違えて僕のお酒を飲んじゃったみたいで……

気づいた時にはもう」



「ったく………手のかかる」



土方はチッと舌打ちをした







「おい、蓮、総司が困ってるだろ
離してやれ」



──酔ってはいるみてぇだが、言ってることくらい理解できるだろ



そう思って言った言葉が、実は逆効果だったのである



「……じゃあ、土方さんが代わりになってくれますか?」








……………『はぁ?』



古株全員が目を点にした





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