神風の如く





──バシッ



「待て~!!」



──ポスッ



「やったなぁ、このっ!!」



五人で雪の中を大はしゃぎ



いつのまにか全員雪まみれになっていた



──パシッ



「きゃあっ」



「蓮さん、油断は禁物ですよ」



五人でやっているせいか、後ろからも前からも雪玉が飛んでくる



──ツルッ



「えっ」



壬生寺の石段が凍っていてそれに足を取られてしまった



「蓮さんっ、危ない!!」



華蓮の後ろには大きな柱



このままいけば、確実に頭を打つ、誰もがそう思った



──っ



華蓮も恐怖に目をつぶる










──ドンッ



鈍い音がした



だけど、不思議と痛みはなくて、華蓮はそっと目を開いた







「おい、大丈夫か?」



──この声……………



「ひ、土方さん!?」



後ろに倒れかかった華蓮を間一髪、土方が抱き止めていた



慌てて後ろを向いて謝る



「すみませんっ……ありがとうございます!」



「いや、無事ならいい」



──どうして、いつもタイミングよく私を助けてくれるんだろう



華蓮はなぜか照れくさそうに顔を背ける土方を見つめていた




「蓮さん、大丈夫ですか!?」



そこへ四人が駆けつける



「はい、土方さんが助けてくれたので
ご心配おかけしてすみません」



「ったく、脅かすなよな!」



原田が肩をなでおろしていた



「き、気をつけます」






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