神風の如く
不敵に笑うその姿に藩士たちだけでなく、土方や沖田も目を奪われた
不思議な雰囲気をまとい、正当な意見を堂々と述べる姿はまるで────
「はっ………てめぇの言うとおりすぎて何にも言えねぇ
俺はここに残らせてもらう
長州には死んだと知らせてくれ」
華蓮から一番離れた藩士が立ち上がった
「いいのか?」
「ああ、そもそも今生きてることが不思議なくれぇだ
てめぇみたいな奴がいるならまだこの日本も捨てたモンじゃねぇな」
その藩士の目は生きる意志を取り戻していた
「それに、上手くいきゃあ、会えるんだろ?」
──長州に残してきた、大切な人たちに
大それたことを言ってしまったと後悔してる場合ではない
やってみせるんだ、何としても
「ああ、てめぇがしっかり働くんならな」
その後、なんだかんだ全員が新撰組に残ることを決めた
何人かは長州に帰すつもりだったのだが、これは予定外
「すみません、土方さん
結局みんな入ってしまいましたね…」
「いや、問題ねぇだろ
お前の言葉で長州の奴らの目つきが変わった」
──私は現代から来たから根本的な考え方が違うだけなんだけど
「いやぁ、まるで別人でしたよ!」
「沖田さん、からかってます?」
この声のテンションは大抵からかうか遊んでいる時だ
「そんなことありませんよ
ただ、蓮さんが本気になれば土方さんなんてけちょんけちょんだなって……」
「へっ!?」
何の話だ、と聞く前に隣から猛烈にどす黒いオーラを感じる
「総司ぃぃいいいい!!」
八木邸中を大の大人が鬼ごっこをして駆けずり回っていた