神風の如く
「さて、荷物を持って部屋を移動しないといけませんね」
華蓮は自分の荷物をもらった風呂敷に包んで綺麗に隠した
華蓮がいた部屋は元々別の人が使っていて、移らなければならないが、沖田の部屋だと他の幹部もいる
そこで、これからは土方の小姓ということも兼ねて、副長として一部屋を使っている土方の部屋に居座ることになったのだ
正直、知らない男と同じ部屋で寝起きするなど考えたくもないが、嫌と言えるわけもなかった
「心配しなくても、土方さんはあなたを襲ったりはしませんよ
あの人は真面目ですから」
「は、はぁ…………」
どうしてこの人はそういうことをさらりと言うのか───
華蓮はまだ沖田の黒い笑顔に慣れずにいた
「土方さん、失礼します、み…湊上です」
「あぁ、入れ」
襖を開けると机に向かい、筆を走らせている土方がいた