神風の如く
その日の夜、夕餉のときに華蓮は隊士たちに紹介されることになった
土方の小姓なら他の隊士と関わることは少ないが、華蓮は一番隊隊士も兼ねている
名乗らないわけにはいかなかった
これは歴史を変えてしまうことになってしまうのではないか────
自分の存在が、未来に影響を与えてしまうのではないのか─────
そんな不安をよそに、壬生浪士組の男たちは土方の小姓になるなんてどんな奴だと、騒いでいる
「お前ら、静かにしろ!!
新しく入った隊士で、俺の小姓だ」
土方の紹介を聞き、一歩前に出てお辞儀をする
もちろん、男らしく、できるだけ大雑把に
───お前、まず歩き方を直せ、胸を張って堂々としてろ───
先ほど、土方に言われたことを思い出す
「湊上 蓮と申します
これからよろしくお願いします」
いつもならニコリとするところだが、あえてキリッと顔をひきつらせた
ここで、女だとバレてしまえば、元も子もない
「な、なぁ、女みてぇな顔じゃねぇか」
「あ、あぁ」
「でもよ、沖田組長もそんな感じだぜ?」
ざわざわと隊士が好き勝手に言い放題
助けを求める目を土方に送ると、一つ嫌な笑みが返ってきた