神風の如く
温かい居場所
それから華蓮は毎日働いた
華蓮はお嬢様ではあるが、本人の性格から何でも自分でやりたがり、一通りの家事はこなせるようになっていた
料理、洗濯はもちろん、掃除に裁縫、病人の世話まで完璧にこなしていた
それに加え、土方の小姓としての仕事も一つも怠ることがなかった
しかし、それだけにとどまらず────
「あ~、疲れた、でも今日は俺食事当番だったかな………」
「佐之さん、頑張れ~」
「じゃあな、佐之」
「お、おい、平助、新八~!!」
賑やかな三人組の声が聞こえた
みんな、巡察の帰りで疲れているのだろう
巡察とは、京の街に出て、不逞浪士のような輩がいないか見回り、今日の治安を守ることだ
しかし、壬生浪士組はまだ京の人々に信用されておらず、気苦労が耐えないのだろう
「あ、原田さん、永倉さん、平助君、お帰りなさい」
華蓮は通りがかり、顔を出した
「よぉ、蓮、今日もご苦労さん」
優しく声をかけてくれたのは十番隊組長、原田佐之助
新撰組きっての槍の使い手
周りに気配りをするのが上手な人だ
「おう、蓮!!!、いつみても可愛いなぁ」
そう言って頭を撫でてくるのは二番隊組長、永倉新八
その剛腕から振り下ろされる一撃で、人の命を簡単に奪えるという