神風の如く
そういうわけで、華蓮は自分がこれから何をしたいのか、どう生きていたいのかわからない
そして、自分でどうしたいかを決めることさえできなくなっていた
それは全てを両親に任せ、それにただ従ってきた結果であった
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「お前さ、もっと自由にしたいと思わないの?」
そう問いかけてきたのは兄の拓哉(たくや)
彼は幼いころから剣道と勉学に励み、よい成績を残していたが、自分のやりたいことははっきりと言う
華蓮の憧れであった
「私は……どうすべきなのかわかりません
ただ、やれと言われればやります」
唐突に聞かれ、そうとしか答えられない
間を置いて、はぁ、とため息が聞こえる
──もしかしたら、お兄様をがっかりさせてしまったのかもしれない
「あ、あの────」
「華蓮がいいならそれでいいけど、心配なんだよ
いつか壊れてしまいそうで
あんまり、無理するなよ」
私の不安をわかっているかのように、優しく頭をポンポン、と撫でてくれた
そんな素敵な兄を華蓮は心から尊敬していた