神風の如く
「新八っさん、やめてあげなよ~
蓮はいやがってるよ?」
そして、この少し小柄で、可愛い顔をしているのが、八番隊組長、藤堂平助
突然入ってきた華蓮にも、気軽に接してくれている
この三人は幹部の中でも、とても仲がよいと有名だ
「あの、原田さん
お疲れでしょうから、部屋で休んでいてください
食事の用意はなんとかなりますから」
華蓮はまだ一度も巡察には出たことがないからわからないが、この前沖田が───
──巡察は命がけ、なんですよ───
と言っていた
それほど大変なのだろう
ならば、常に屯所にいる自分にできることはこれくらいだ
「いや、気持ちは嬉しいが……その、本当にいいのか?」
「はい、土方さんには黙っておきますから」
こんなこと、あの人にバレたらただでは済まされない
「そういうことじゃ、ないんだけどな……
まあでも、助かるよ、頼むな」
「はい、では」
────そう、こうやって人の仕事までやってしまうのだ