神風の如く






初めからバレてしまっていたのか───





やっぱり男らしくはなかったのか、と華蓮は嬉しいような、悔しいような気持ちになった





「いや、振る舞いはいかにも男らしかったですが、やはりその華奢な体では……」





山南は優しく笑った







「さて、これで蓮君にとっては本当に今の居場所になっただろう?

ここにいる者は君の仲間だ


そのお粥を食べて元気になったら、君が未来でどんな生活をしていたのか聞かせてくれ」





近藤は豪快な笑いと共に、華蓮に言った






「………はい」






華蓮は嬉しかった






自分が心から望むことができる場所を手に入れられたことが






自分にとって、好きだ、と言える場所ができたことが






かけがえのない、仲間ができたことが─────













「さ、みなさん、行きましょう
あまり邪魔すると土方さんの雷が落ちます」




あ……振り返ってみれば、みんなして土方さんを冷やかしたり、からかったり……





正直に言ってまずいのではないか───







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