神風の如く





そうして部屋に残された華蓮と土方





気まずい空気が流れる






「これでわかったか?
お前はもう、仲間として認められてんだよ

そんなお前を不安にさせてたのは俺だがな………」





いや、違う





土方も華蓮のことや、新撰組のことを心配して、監視していたのだと思う





「いいえ、私こそ勝手に思い込んでしまって………」





首を横に振った





「まあ、俺もそろそろお前にちゃんと言おうと思ってたところだ………山崎」





土方が名前を呼ぶと、襖が開き小柄な少年が入ってきた





「お呼びでしょうか、副長」





「蓮、こいつにお前をつけさせていた
観察方の山崎だ」





「山崎丞です、まさか、気づかれていたとは思いませんでした」





山崎丞────確か新撰組ではスパイのように潜入捜査などを行っていた土方の右腕だ





「山崎の尾行をそう簡単に勘づく奴はなかなかいねぇ
お前は相当体術に磨きをかけていたな」





土方は困ったような顔をした





「山崎、ご苦労だった
明日からは蓮の見張りはしなくていい
これからはあいつらも事情を知っていることだし、誰かしらの目が行き届く」





「わかりました、では失礼します」





山崎は音をほとんど立てず、部屋を出て行った





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