神風の如く
「さあ、お前は早く粥食って寝ろ」
土方は頭をかいてめんどくさそうに言う
差し出された匙を手に取り、お粥を口に運ぶ
優しい味が口の中いっぱいに広がった
華蓮はあまり風邪を引かない
引いたのは確か────5歳くらいのころに一度だけ
そのときはメイドさんたちがお世話してくれて、兄が来てくれたりしていたが──
母や父は仕事で忙しく、寂しい思いをした記憶があった
だけど─────ここは
「……ん?そんなにおいしかったのか?」
「はい………とても」
このお粥のように温かく、優しい
華蓮はここに来れたことを嬉しく思った
その後土方は華蓮が眠るまでそばにいてくれた
初めて会ったときとはぜんぜん違う
土方の優しさに触れていた
───華蓮
どこかで自分を呼ぶ声が聞こえる
───華蓮
目を開けると、真っ白な世界が広がっていた