神風の如く
集合場所は屯所入口の門の前
華蓮が着くと、既に隊士は揃っていた
「じゃあ、一番隊、行きますよ」
「はいっ!!」
沖田の一言で全員が歩き出す
その先頭を行く沖田の斜め後ろに華蓮は続いた
巡察は命がけ────そう言っていたのは壬生浪士組でも腕の立つうちの一人である沖田だ
華蓮は身を引き締めた
「蓮さん、力みすぎるといけませんよ」
前から優しい声が聞こえた
「五感を研ぎ澄ますんです
あなたならできるでしょう?
敵がどこに潜んでいるのかわかりません
ただ、構えるたけでなく、視野を広く持ってください」
「は、はいっ」
そうか───ただでさえ浅葱色の羽織は目立つ
壬生浪士組を嫌い、恨む者は昼夜問わず襲いかかってきてもおかしくはない
だからこそ、街の人々を守りながら自分たちの身を守るため五感を頼る
華蓮はいったん肩の力を抜いた
「それに、この僕がいる限り、蓮さんにかすり傷一つ負わせません」
沖田はさらっとすごいことを言う
「え?あ、あの………」
「それにこの沖田総司に刀を向ける奴なんて、よっぽど死に急ぎたい奴で………!!!」
────!!!