神風の如く






「組長!!!!」





後ろには5人、隊士たちが相手をしている





しかし、沖田の前にいるのは5人、その中にはあの大きな男もいる





隊士の一人が駆け寄った





「お前たちで、後ろをなんとかしろ!
この5人はまとめて、僕が相手をする!!」





「わ、わかりました!!!」





その気迫に負けて、隊士は後ろに戻った





「沖田さん………」





一対五というのは、この時代の人間ではない華蓮でもわかる





完全に不利だ





「蓮さん、大丈夫ですよ
すぐに終わらせますから」





沖田はそう言い放ち、左腰に手をかけた





「覚悟はいいですね!?
この僕に刀を向けたこと、後悔するがいい!!」





「このっ…………」






──ザンッ





え──────?





浪士二人が沖田に向かって走り出したとき、まだ刀を抜いていなかった





なのに、次の瞬間、襲ってきた浪士は二人とも沖田によって斬られ、倒れた






「………っ、なにぃ!?」






速い、速すぎる





これが、沖田総司────────





「さて、不逞浪士ども、もう逃がしはしませんよ」






その横顔は人が変わったように、黒い笑いを浮かべていた







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