神風の如く






「き、綺麗─────」



月にある模様のようなものまでよく見える




──確か、日本では兎、だったかな




視線を下に落とすと、池に映っている月を見つけた




それまた何とも言えないほど美しく、めったに見られるものではないと思い、池に近づいた





そのとき、華蓮は油断していた




いつもの華蓮なら後ろに誰かがいることに気づかないわけがない








──ドンッ







「─────え?」






何者かに後ろを押され、バランスを崩した華蓮はそのまま池に落ちることを覚悟した





と、思ったとき、池がきらきらと輝いた




先ほどまで見ていた月のせいではない








──何? 何が起こっているの?







その輝きに思わず目をつぶり、池に落ちるか落ちないか確認する前に華蓮は意識を手放した──────









< 7 / 300 >

この作品をシェア

pagetop