神風の如く
「き、綺麗─────」
月にある模様のようなものまでよく見える
──確か、日本では兎、だったかな
視線を下に落とすと、池に映っている月を見つけた
それまた何とも言えないほど美しく、めったに見られるものではないと思い、池に近づいた
そのとき、華蓮は油断していた
いつもの華蓮なら後ろに誰かがいることに気づかないわけがない
──ドンッ
「─────え?」
何者かに後ろを押され、バランスを崩した華蓮はそのまま池に落ちることを覚悟した
と、思ったとき、池がきらきらと輝いた
先ほどまで見ていた月のせいではない
──何? 何が起こっているの?
その輝きに思わず目をつぶり、池に落ちるか落ちないか確認する前に華蓮は意識を手放した──────